FCBの効果検証(超音波画像診断) FCBは、ラグビーの現場での真面目な発想から、2年以上の試行錯誤を経て、検証を重ねてエビデンス作りをして現在の形に進化してきました。
今回は、先の筋電図での実験時に、併せて筋電図では確認することが出来ない腹横筋の筋収縮の様子を、超音波画像診断装置を用いて確認した時のお話です。 通常のシットアップとFCBを股関節に挟んで行ったシットアップをした時の腹横筋の収縮を確認しました。ちなみに、今回の被検者はドローインなどの腹横筋の筋収縮教育、腹横筋のトレーニング経験はありません。 結果は、分かってはいましたが、通常のシットアップ動作中には、腹横筋はほとんど収縮していませんでした。 しかし!!! FCBを使って股関節を内転・内旋しながら腹筋をすると、腹横筋がかなりしっかりと収縮していることが確認できました。それも、その後に指導したドローイン時の腹横筋の最大収縮と同程度でした。 股関節内転・内旋と腹横筋の収縮の関連性については、解剖学的にも文献的にもあまりしっかりと説明は出来ませんが、事実として、FCBを用いた股関節内転・内旋をして体幹筋群のトレーニングをすることで、股関節、骨盤を介し腹横筋の収縮を導き出して、骨盤を含めた腰部の安定化が起きて、FCB独特の強烈なトレーニングが実施できると考えます。 これは、目線を変えると、腹横筋の筋収縮の指導が難しい中高齢の方や、そもそも腹筋が出来ない方などの腰部筋群の安定化のための腹横筋強化、つまり腰痛改善やQOL向上等をあきらめかけているような方、それらを切実に願っている方に対して、簡単に、そして効果的に腹横筋トレーニングを導入できる可能性が発見できたと言えます。 また、この実験を通して発見したこと(後で考えれば当たり前)ですが、腹横筋がしっかり収縮している状態でFCBシットアップをするとFCBが動かないんです。逆に、FCBがグラグラしたり、暴れるときは腹横筋が収縮できておらず、腰部が安定していない状態であることが分かりました。(目で見て分かる、指導に役立つ情報ですよね!) 今回の2つの実験(筋電図と超音波)を通して、FCBを用いて股関節内転・内旋筋群と体幹筋群を同時収縮させてトレーニングすることによって、通常の腹筋トレーニング(シットアップ)よりも大きな筋活動量が得られることに加え、腹横筋の積極的な活動も引き出せることを確認することができました。 次の課題は、骨盤底筋群へのトレーニング効果を証明したいですね! FCBを使ったトレーニングをしている実感として骨盤内の筋には大きな刺激が入っていると実感できます。バランスボール等を挟んで実施する骨盤底筋アプローチのトレーニングよりも、FCBを使うことにより股関節内転に加え、股関節内旋動作が入る(FCBが台形の理由)ので、より多くの骨盤内の筋群強化につながり、女性特有の疾患にも大きく貢献できる可能性を秘めています。これに関しては、文献を調べるとそれなりに関係を証明することが出来、FCBが骨盤底筋強化に有効であることは言っても良さそうです。しかし、骨盤底筋は深部の筋であり、被検者が女性になるので、我々にとっては実験そのものと方法に大きな壁が立ちはだかります・・・。どなたかが、FCBを使って研究してくださることも期待しております・・・が、我々もしっかりと研究活動を続けて参りたいと思います。 何か不明な点やお気づきの点がありましたらご教授いただけましたら幸いです。 形や素材がごくごくシンプルなことが幸いし、ストレッチやリラクゼーションツールとしての用途が無限大にあり、多くの方々の健康や競技力向上のお役に立つ商品になれば大変うれしく思います。 |