FCB(Functional Condition Box)が台形な理由の話 誕生秘話でもお話しした通り、FCBはスポーツ現場での真面目な発想から、現在の形、サイズになるまで、20個以上の試作品が作られ、2年以上の試行錯誤と検証を重ねて現在の形に進化してきました。
よく、“バランスボールじゃだめなの?”と聞かれるのですが、股関節で挟み内転筋と体幹筋群を同時に鍛えるだけならば、小さめのバランスボールやフィジオボール、サッカーボールでもできるのですが、より多くの筋活動の動員を求め、実際の競技動作に近づけることを考えた場合、股関節は内転だけではなく内旋も強調して鍛えた方が力強くパワー発揮できると考えます。そして、試行錯誤の末、内転筋に触れる部分が「面」であることがそのトレーニング効果に有効であることに気づきました。台形の「面」を内転して挟み、内旋して絞ることにより、内旋にも負荷をかけることが出来るので、よる強い負荷をかけることが出来る。また、「面」が股関節内側部にいいテンションで触れるため、マニュアルコンタクト的に意識性が高まるという効果も得ることが出来ました。 競技パフォーマンスへの発展を考えたとき、ほぼすべての競技動作には股関節内転内旋と体幹筋群の連動をさせる必要があり、それを強化して力強いパフォーマンス発揮に結びつけたい・・・股関節内旋への思いが「面」にたどり着き、FCBの“台形”という形に導いてくれました。 次に“なんで台形なの?形に意味はあるの?”という質問も受けます。 一つの理由は先にもお話ししました“内旋をさせたいから”なのですが、台形にはもう一つ理由があって、『パワーポジション』を強調するためなのです。 FCBを股関節に挟むとその姿勢は『パワーポジション』になります。だから“台形”なのです。試行錯誤し、筋電図などの実験で筋活動量等を観察して形を少しづつ変化させていったら今の形、サイズに落ち着きました。(実は女性が使うことも考慮してFCBとFCB Proでは少しだけですが大きさが違います) パワーポジションでFCBを使った股関節内転内旋と体幹筋群のトレーニングをすると、軸の安定性が要求される競技(例えばスケートのジャンプ)、回旋や回転動作が必要な投球動作やバッティング、格闘技などのスポーツ動作に対しとても有効であると考えています。既に実践されている好例ですが、ゴルファーが立位でFCBを挟んで、パワーポジションをとり、股関節内転内旋を意識してゴルフスウィングを数回してからFCBを外して通常のスウィングをすると、軸が安定して右利きの人であれば左側に壁を作りやすくなる、つまり軸が安定するので安定したフォーム獲得の一助となります。また、ラグビーのような格闘系の競技では、パワーポジションを強化し、股関節を巧く使えるようになれば軸が安定し倒れなくなるのです。 このようにFCBの形はパワーポジションを強化する、パワーポジションで強化することに一つの意味があり、股関節内転内旋と体幹筋群という身体の中心(コア)から始まる新しい強化方法の着眼点であると考えています。 また、骨盤内の筋にも大きく刺激が入ることから、骨盤底筋強化にもつながると考え、女性特有の疾患にも大きく貢献できる可能性を秘めています。 形や素材がごくごくシンプルなことが幸いし、ストレッチやリラクゼーションツールとしての用途が無限大にあり、多くの方々の健康や競技力向上のお役に立つ商品になれば大変うれしく思います。 今後もしっかりと研究活動を続けて参りたいと思います。 何か不明な点やお気づきの点がありましたらご教授いただけましたら幸いです。 |